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決算申告

決算申告の流れ

個人事業主や法人にとって、決算申告は非常に重要な手続きの一つです。
決算申告とは、一定の会計期間(事業年度)の収支を確定し、税金を計算するための手続きを指します。
本記事では、個人事業主および法人の決算申告の流れについて詳しく解説します。

決算申告とは

決算申告とは、個人事業主や企業が会計期間の終了後に行う財務報告と納税手続きのことです。
決算では、一定の会計期間の取引を整理して財務諸表を作成します。
財務諸表には貸借対照表や損益計算書などが含まれ、経営成績を示す重要な指標となります。
この財務諸表に基づき税額を計算して申告を行います。

個人事業主の決算申告の流れ

以下、個人事業主の決算申告の主な流れについて解説します。

1. 帳簿の整理

個人事業主は、日々の取引を記帳し、決算前に帳簿を整理する必要があります。
青色申告の場合は複式簿記(10万円控除の場合は単式簿記)、白色申告の場合は単式簿記での記帳が求められます。

2. 決算書の作成

決算書として「損益計算書」や「貸借対照表(青色申告の場合)」を作成します。
損益計算書では、売上、経費、利益を計算し、1年間の事業成績を明らかにします。

3. 確定申告書の作成

個人事業主は、所得税の確定申告書を作成し、所得税額を算出します。
また、青色申告の場合は「青色申告決算書」も作成し、申告書とともに提出します。

4. 申告書の提出

確定申告書は、税務署へ直接提出するか、e-Taxを利用してオンラインで申告できます。
申告期限は翌年3月15日です。

5. 税金の納付

所得税の納付期限は翌年3月15日です。
振込、口座振替、電子納税などの方法で納付が可能です。

6. 書類の保存

作成した帳簿や取引に関する書類は、その種類に応じて5年または7年の保存が必要です。
保存が必要な帳簿や書類は、仕訳帳、総勘定元帳、請求書、納品書などが含まれます。

法人の決算申告の流れ

次に、法人の決算申告の主な流れについて解説します。

1. 帳簿の整理と期末処理

法人は、事業年度末に向けて売上や経費の確認を行い、帳簿を整理します。
未収金・未払金の処理や期末棚卸などの決算整理事項の確認が重要となります。

2. 必要書類の作成

決算書として、「貸借対照表」、「損益計算書」、「株主資本等変動計算書」、「注記表」などを作成します。
また、事業等の概況を記載した「法人事業概況説明書」、勘定科目の詳細な内訳を記載した「勘定科目内訳書」も併せて作成する必要があります。

3. 株主総会での承認

監査役会設置会社の場合、まずは監査役会の監査を受けます。
監査役会の監査を経た計算書類は取締役会で承認されます。
最後に、計算書類が株主に提供され、株主総会で正式に承認されます。

4. 法人税申告書の作成

決算書を基に法人税申告書を作成し、税額を計算します。
税金の種類は、法人税、法人住民税、法人事業税、消費税の4つです。

5. 申告書の提出

作成した申告書を税務当局へ提出します。
法人税と消費税は所轄税務署へ、法人事業税と法人住民税は都道府県税事務所または市町村役場へ提出します。
直接提出することもできますが、e-Taxを利用してオンラインで申告することが一般的です。
申告期限は事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内です。

6. 税金の納付

納付期限は、申告期限と同様に、事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内です。
納税は銀行やコンビニ、e-Taxを利用して行うことができます。

7. 書類の保存

作成した帳簿や取引に関する書類は、原則として税法上では7年、会社法では10年の保存が必要です。
保存が必要な帳簿は、総勘定元帳、仕訳帳、固定資産台帳などが含まれ、書類は貸借対照表、損益計算書、契約書などがあります。

決算申告のポイントと注意点

決算申告では以下の点に留意する必要があります。

申告期限の厳守

個人事業主の確定申告期限は3月15日、法人の法人税申告期限は事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内です。
期限を過ぎると延滞税や加算税が発生するため、早めの準備が重要です。

節税対策の活用

青色申告特別控除、少額減価償却資産の特例、法人の税額控除など、適用可能な節税対策を活用することで税負担を軽減できます。
どのような控除・特例が活用できるのか、事前に税理士などに相談し確認しておくことが大切です。

税理士や会計ソフトの活用

決算申告は専門的な知識が必要なため、会計ソフトの導入や税理士への相談を検討すると、正確かつスムーズに進められます。

まとめ

個人事業主と法人の決算申告の流れには共通点がありますが、法人の方がより複雑な手続きが必要です。
申告期限を守り、適切な節税対策を講じることで、スムーズな決算申告を行いましょう。
決算申告に関して不安がある場合は、専門家である税理士に相談することをおすすめします。